セミとり

ルミネ北千住の無印で買い物をした。といっても特に買うものはなく、封筒だけ持ってレジに並んだ。
突然、自分の後ろにいた女性から話しかけられた。
「セミ、大丈夫ですか?」
「は?」
「この方の背中にセミがいるんです」
別の女性が背中を向けるとセミがくっついてた。思わず噴き出した。
「ははは、んじゃとりますよ」
「あ、とると鳴き出しますよ!」
「う。袋かなにかに入れてしまえば・・・」バッグの中を探すが見当たらず。
「いいや、とりあえずとってしまいます!」
捕まえて背中からはがすとジジジ…ジジと鳴き出した。
捕ったものの、どうしよう。そうだ、ゴミ箱に入れよう。持ってた封筒は化粧品売り場に置いて歩き出す。
ジジジジリジリと断続的に鳴くセミ。鳴き声がフロア中に響き渡っている(気がする)。ゴミ箱が見つからず、セミを持ったままフロアをうろつく。
あった!エスカレータの横にゴミ箱発見、セミ投入。
レジに戻ったらセミをくっつけてた人が順番をとっといてくれた。
セミがゴミ箱の中でジージー鳴き出したらおもしろいだろうな、と思いながら帰った。